2007年03月28日
人材派遣業界の動向を考える①
今回は、人材派遣業界の動向、主に労働者の働く意識について取り上げてみたいと思います。
慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科の高橋俊介教授は、バブル期を知らない現代の20代は「ガツガツ働くより、『ゆとり』を重視し、10代後半ともなるとそういう意味での上昇志向すらなくなっている」(東洋経済新報社『人材派遣を10倍活用する本 人材派遣データブック2006』より)と指摘しています。
彼らは親のリストラによるさまざまな現実を目の当たりにしている世代であるため、「いくら頑張っても何かあればリストラされるかもしれない」というきわめて現実的な考え方を持っています。ですから、いわば、高橋教授も指摘するように「仮に会社を辞めても、なんとか食べていける“手に職”志向が強い」(前出)のです。
ですから、彼らの多くは派遣会社に登録し、さまざまな職務に就いて試行錯誤をすることに抵抗がありません。これらの試行錯誤をすることによって、最終的に“手に職”が付けばいいのだと考えているわけです。
上記のいわゆる“成長志向”の傾向は、「給料を上げたい」「出世したい」という気持ちが高い30代以降にも強く表れています。バブル崩壊を目の当たりにし、一つのキャリアをまっとうすることが困難な時代であることを知っているだけに、生き残るためのキャリアチェンジに対してもそれほど抵抗はありません。そして、キャリアチェンジの過程で派遣会社への登録を行う例もあるわけです。
また、リストラなどの理由からキャリアチェンジを迫られた40代以降、定年退職したものの、さらに自分の経験を活かして働こうとする60代以降の方の派遣会社への登録も増えています。
このように、今、派遣会社に非常にさまざまな年齢層が登録しており、企業で就労するようになっています。今後は、非正社員をいかに有効活用できるかが企業経営にとって重要なファクターになっていくことでしょう。
そして、その担い手である人材派遣業企業の役割は、社会的にも非常に大きなものといえるのです。

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